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更級日記ノベル1「プロローグ」

2021年5月13日

更級日記がもとだけど自由に想像の翼を広げたライトノベルを書いてみました。

未来からきた「みく」という少女や、
タケ」という不思議な少年はノベル上の架空の人物です。


陰陽師の魔力なども取り入れてみたいと考え、
このふたりの人物に魔力を使わせてみたいと思っています。

ライトノベルを書きたいと思った経緯については、こちらをご覧くださいね。

それではどうぞ、お楽しみくださいませ。

『更級日記』ノベル

更級日記 門出 現代語訳

『更級日記』ノベルの舞台

舞台は平安時代の中頃。
場所は上総の国(今の千葉県)から始まります。

平安時代の都は京都だったので、千葉県は都から遠く離れたど田舎でした。

時代 平安時代のなかごろ
場所 上総の国(今の千葉県)

この地に暮らす中流貴族のお姫様
「三の姫」がこのお話のヒロイン。

「三の姫」は物語を読むのが大好き。
物語の中に出てくる王子様との恋にあこがれる夢みる少女です。

登場人物

更級日記 門出 現代語訳

ヒロイン 菅原孝標の娘 「三の姫」。
身分は中流貴族のお姫様。物語が大好きで、物語を読めるのなら后の位をくれるといわれてもいらないと思うほど。父親の仕事のために東国の田舎で育った。東国の田舎では物語りがなかなか読めなかったので、薬師如来様に
早く都に帰って物語がたくさん読めるようにしてください。
と一生懸命にお願いして祈りが通じる。父親が都勤めの仕事に変わったため、都に帰ることができて物語を読むことができるようになる。

当時は今のように気軽に本が読める時代ではありませんでした。

そもそも本ではなくて巻物。
それも、すべて人が筆で書き写すものです。印刷技術がなかったからです。

しかも、紙は高価で貴重品。
書き写すにも時間と手間がかかる。

というわけで、物語はとても希少なもので簡単に、手にとって読み放題できるものではなかったのですね。さらに、このような田舎に住んでいると、最新の物語を目にするのは非常に難しかったのです。都で書き写された物語が、東国の田舎まで届くのには日月がかかりますから。

物語が大好きな「三の姫」は

お父様のお仕事が地方から都に変わってお引越しできれば、自分も都に住んでたくさんの物語を読めるようになるのに。

と思っていたのです。

おつきの女房 みく 貴族のお姫様「三の姫」にお仕えする女房。

実は未来からきたタイムトラベラー。

式神をあやつる不思議な力と未来の知識を持っていて、「三の姫」のためにいろいろと尽くしてくれる。

タケ 美しい不思議な少年。

笛の名手。
みくとつながりも持っていて、三の姫の窮地を何度も救う。

プロローグ

時は平安。

私は中流貴族の三番目の姫で「三の姫」。
住まいは東国のど田舎。

物語が大好きで読みたくてたまらない可憐な少女。
年齢は12歳よ。

私の側仕えのみくは、未来からきたのですって。
ここでは側仕えのことは「女房」というのよ。

未来というのがどういうものかよくわからないけれど、これから先に起こることを、もうすでに体験しているということなんですって。だから、これから何が起こるのか、たくさんのことを知っているというの。

そんなことがありえるのかしら。

私のお父様は、たいへんな田舎でのお仕事を帝からいいつけられたので、私もお母さまもお姉さま方も、家族みんなこの田舎で過ごしているのです。

景色もきれいで海のお魚もおいしくいただけるので、この地での生活は気に入っているのだけれど、ほんとに田舎くさくてたまらないところだけが、ちょっと嫌なのよ。

早く都に住めるようになって、きれいなお屋敷で、きれいなお着物を着て、お貴族のお友達と優雅にお話したり、
「姫様」
と言われながら雅に過ごせたら、どんなに素敵かしら。
と、いつもぼんやりもの思いにふけってしまうの。

そんな私を、みくはいつもにっこりと見守ってくれて安心するわ。みくには自分の願いをわかってもらえているなと思えて、とても心が落ち着くのです。

物語が読みたい!

田舎にいて一番つらいのは、物語を読むのがたいへんなこと。

お母さまやお姉さま方が、物語についてお話してらっしゃると、その物語を読んだことのない末娘の私だけ、のけものになったようで悲しいのよ。

お庭の菊がきれいに咲きましたこと。
まるで、薫の君が手折った菊の花のように美しいですわね。
菊の花にたとえられた帝の二番目のお姫様、女二の宮様の美しさがしのばれますわ。

お姉さまやお母さまがお庭の菊ひとつ見てもそんなことをおっしゃるので、私は菊の花にたとえられるお姫様のお話が読みたくて読みたくてたまらなくなってしまいます。

それは『源氏物語』の中でに出てくる薫の君という貴公子に、
帝が我が娘をお嫁にやってもよいぞということを示すために

この花一枝ゆるす

と言われた場面のことだそうです。
帝は、姫を菊の花にたとえて、

この花をやる。
つまり、我が娘を嫁にやるということだ。

という意味を示したのですね。

それで薫の君は庭に降りて、菊の花を手折ったのですって。
素敵です!

私もいつか、素敵な殿方から花にたとえていただけるようになりたいわ。

そんな思いも膨らみます。

物語は貴重な紙に書かれているから、とても高価だし、物語が書かれている巻物は人の手で書き写されるものだから数も少なくて、こんな田舎ではなかなか手に入りませんもの。物語が書かれた巻物を手にとって読むことは難しいのです。

それで、お母さまやお姉さまがお話されるのを一言ももらすまいと一生懸命聞きながら、物語の中の場面を想像しているの。

みくに言わせると、私は「文学少女」なんですって。

みく
おたくとも言いますわね。

と、にこっと言われたけれど、「文学少女」とか「おたく」とか、みくは時々わけのわからない言葉を使うのよ。きっと未来から来たからなのね。

みくがしてくれるお話「白雪姫」?

お話の好きな私のために、みくは夜寝る前に、いろいろなお話をしてくれます。そのお話は、他の誰も知らない遠い国のお話なんですって。

みくも、お話がとても好きなのがよくわかります。

お姫様が継母にいじめられてお家を追い出されて、小さな人たちのところで一緒に暮らすことになり・・・それを知った継母が、果物に毒を入れてもってきてお姫様はその果物を食べて死んでしまうのですよ。
みく

というお話もあったわ。とてもおもしろいお話だったわね。

とくに、毒入り果物を食べた姫様が一度死んだのに生き返るというところは、何度聞いてもどきどきしてしまうわ。素敵な殿方が助けてくださって生き返ることができるのですもの。

このお姫様は、雪のように白い肌をしていて、髪の毛は黒檀のように黒く、唇は血のように赤く美しく、人々から「白雪姫」と呼ばれていました。
みく

あこがれるわ。
「白雪姫」のような美しいお姫様に私もなりたいわ。

私も、もっと髪が長くなって
歯も黒く染めてきれいになったら、
きっと素敵な殿方が
私のところに通いに来てくださると夢みてるの。

ほんとうになったらどんなにいいか・・・。

そのためには、早く都に行って、洗練された文化を身につけなくてはなりません。殿方に素敵な女性と思ってもらえるように自分磨きをしなくては。

でも、こんな田舎では、洗練された文化にふれることも、新しい物語を読むこともできないし。あせってしまいます。

あぁ、都に行って物語を読みたいわ。

私が毎日毎日なげいていると、みくはいつも優しく慰めてくれます。

三の姫様、だいじょうぶですよ。
姫様はもうすぐ都にお帰りになることができますよ。
みく

未来のことがわかるみくがそう言ってくれると、なんだかほっとするの。それでまた、しばらくは都に行ける日をじっと待とうと思いなおして、都に行っても田舎者と笑われないように教養を身につけなければと、和歌のお勉強などもがんばれるのよ。

有名な和歌をたくさん知っているのは、貴族の姫として重要な教養なのですって。

「文学少女」の私は、素敵な殿方から魅力ある女性と思っていただけるようにがんばるわ。

更級日記ノベル2「物語が読みたい」薬師如来様にお願いする

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