伊勢物語

『伊勢物語』筒井筒の親しみやすい現代語訳

2020年9月19日

更級日記 門出 現代語訳

幼馴染のふたりが、お互いにひかれあい、
おとなになって結婚し、
結婚後に問題を乗り越えて、ますます絆を強くしていくお話。

現代にも通じるものがあります。

『伊勢物語』筒井筒の原文

昔、田舎わたらひしける人の子ども、
井のもとにいでて遊びけるを、
おとなになりにければ、
男も女も恥ぢかはしてありけれど、
男はこの女をこそ得めと思ふ。女はこの男をと思ひつつ、
親のあはすれども、
聞かでなむありける。さて、この隣の男のもとより、かくなむ。筒井づつ井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに女、返し、くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべきなど言ひ言ひて、つひに本意のごとくにあひにけり。

 

『伊勢物語』筒井筒の現代語訳

昔むかしのこと。
あちこち田舎のほうに出かけて行って商売をしている人たちがいたの。

その人たちには、それぞれに子供がいてね、
男の子と女の子。
幼いふたりはいつも、井戸の周りで仲良く遊んでいたの。

伊勢物語 筒井筒 現代語訳
けれどもね、大人になると、お互いに意識するようになったのね。
恥ずかしくって、幼い頃のようには会わなくなってしまったんだけど、

男の子は絶対幼馴染の女の子を妻にしたいと思っていたの。
女の子のほうも結婚するなら彼しかいない!
と思っていたから、親が、見合い話を持ってきても、女の子は親のいうことをきこうとしなかったのよ。

伊勢物語 筒井筒 現代語訳
そうしているうち、この幼馴染の隣の男の子は、
とうとう女の子に思い切って歌をおくったの。

ラブレターみたいなものね。
こんな歌よ。

筒井筒井筒に掛けしまろが丈 過ぎにけらしな 妹見ざる間に
幼いとき、筒井戸の囲いで背比べして遊んだよね。
楽しかったなぁ。

もう自分の背の高さは、筒井戸の囲いの高さをすっかり越してしまったよ。

あなに会わない間に、
自分もすっかり大人になったんだよ。

自分はもう大人だよ、
ってもう結婚できるってことよね。
ストレートな恋の歌ね。

「筒井」というのは、筒の形に彫った井戸のこと。
「筒井筒」とは、筒井の上に設けた囲いのこと。
「井筒」とは、井戸の地上部の囲いのこと。
「妹」という呼びかけは、
「あなた」という意味で、
男性から妻や恋人、姉妹などに信愛をこめて呼ぶときに使われます。

この言葉にも、相手のことを「大好き」という思いがこめられているのがわかりますね!

伊勢物語 筒井筒 現代語訳
そして女の子もお返事を送ります。

比べ越し 振り分け髪も肩過ぎぬ  君ならずして 誰か上ぐべき
小さい時、私たち髪の長さを比べたわね。
あのころは、ふたりともおかっぱ頭だったわね。

でも、今は私の髪はとっても長くなったのよ。
もちろん肩を過ぎているの。

あなたのため以外、他の誰かのために結い上げるなんて考えられないわ。
あなたのために結い上げたいの。

おんなのこも、とってもストレートに気持ちをうたっていますね。
「振り分け髪」というのは、
頭のてっぺんから髪を左右にわけて垂らして、
肩のあたりで切りそろえる髪型で、子供の髪型です。

男の子も女の子も、8歳くらいまでは、こんなおかっぱ頭をしていたんですよ。

 

「あぐ」というのは、髪の毛を結い上げることで、
成人の記しとして行います。

成人して結婚できることを表します。
結婚が決まると成人の儀式をする、
というのが一般的だったのです。

女の子からも、結婚について積極的な歌というのがわかりますね。

お互いにこうやって思いをつげあったふたりは、
ついに結婚することができたの。
めでたし、めでたし。

『伊勢物語』筒井筒 の解説

伊勢物語 筒井筒 現代語訳
無事に結婚して幸せな生活が始まったはずですが、
長い人生のうち、夫婦にはいろいろなできごとが起こります。

このふたりにも、仲睦まじい夫婦生活に影を落とすできごとが・・・。
いったい、何が起こるのでしょうか。

『伊勢物語』は?

『伊勢物語』は平安時代初期に書かれた歌物語。
作者は誰かわかっていません。
モデルは、プレイボーイとして浮名を流したという在原業平では、
と言われています。

『伊勢物語』筒井筒2 の楽しくてわかりやすい現代語訳

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